THE WORLD OF TIE-DYE

STYLE/DESIGN

THE WORLD OF TIE-DYE

広がるタイダイの世界

photo: Shabd Simon-Alexander and Paul Mpagi Sepuya : interview: PERISCOPE

シャベッド・サイモン・アレキサンダーの世界観は「タイダイ」という言葉から想像するものとはかけ離れている。けれども、シャベッドはこの何年も、タイダイの技術だけを使って、ファッションのラインを作ってきた。最近、シーズンごとにコレクションを発表することから離れたシャベッドが、タイダイについて「Tie-Dye: Dye it, Wear it, Share it」という本を発表した。

タイダイとはどうやって出会ったのでしょう?
2008年にガーデン・パーティで、ホストがタイダイのテーブルを用意していて、そ こでとても楽しい思いをした。やめたくないくらいだった。それで、そのひと夏を使って、いろいろ試したり、自分のスタイルを追求したりした。タイダイの美 的な面は好きじゃなかったから。それで、これで生活できるだろうか、そうすれば毎日できるようになると考えた。
それで縫製もやるようになった。
洋 服作りはいつもやっていた。高校時代にはファッションショーをやったりしたし。ファッション業界で働きたいとは思わなかったけれど、洋服作りは好きだっ た。学校を卒業してから、8年ほど、東京のハナ・フシワラのギャラリーHaNNaのために、ハンドメイドのラインを作っていた。タイダイを始めてから、 ニューヨークを拠点に活動するインディのデザイナーたちと会ったのだけれど、最終的には、本を書こうと思った頃に、そのコミュニティも変わってしまった。 自分にとって、ファッションは目的を達成するための手段で、ゴールではなかった。つまり、たとえばアートの世界ではなかなかできないような、創作をして、 買ってくれる人と直接コミュニケーションできる方法だった。
本を書いたのは、技術を教えたかったから?
自分のラインを 立ち上げて、1年ほどした頃から、タイダイを教室で教えるようになった。受講者たちは、タイダイの授業をとても喜んでくれた。外の都市や海外から車や飛行 機でわざわざやってくる人もいた。多くの人から、メールの問い合わせも受けるようになった。タイダイについて、優れた本はなかったから、「こういう人たち にも教える必要がある」と思うようになった。タイダイが自分にとっておもしろいのは、テキスタイルとしての存在なのだけれど、作るという側面だけじゃなく て、社会的・文化的生活においてどういう役割を果たしてきたか、歴史を超えてきた方法とか、文化を維持してきたという側面もあった。テキスタイルは、日常 的に使われなければ、死んでしまうし、永遠に失われてしまう。だから、最初から、タイダイ自体をプロモーションしたかった。ファッションの世界では、 キュートなものは作った瞬間にコピーされる。理想的なことではないかもしれないけれど、受け入れるか、苦々しく思うしかない。だから私は、受け入れること にした。小さなデザイナーが作ったものを、大物のデザイナーがコピーしたとしたら、それが世の中に広がることの助けにはなる。私が作る量なんて、自分とあ と何人かの手がいっぱいになる程度しかないけれど、タイダイをいつも作ってきたインドの人たちはどう? トレンディな服を作れば、若い人たちが興味をもっ てくれて、それが経済的に存続可能な存在になれば、大企業が何百万という単位でタイダイの生地を作るようになるかもしれない。そしてそれを、タイダイを何 百年も実践してきた、インドの村落で生産するかもしれない。こういう動きにおいて、自分は直接的には影響を及ぼしていなくても、文化が生き続ける連鎖反応 の一部にはなれる。
タイダイは、ひとつの技法だけれど、それで自己表現が限られると思ったことはない?
唯一の限定要素 はその名前。本のタイトルを付けるにあたって、難しい選択をした。タイダイという名前について、人々がどう思っているかわかるし、自分も似たような感覚を いだいていた。だから、その言葉を使うことを避けるか、その言葉を使って偏見と戦うか。私の本を開いてもらえば、タイダイについての考え方が変わるかもし れない。タイダイは、表現方法であって、スタイルではないの。私も始めたときは、そうアプローチするようにした。「絵画とかドローイングと同じ」って。誰 も「音楽は好きじゃない」とは言わないでしょ?「ロックは好きじゃない」とか「クラシックは好きじゃない」とはいうけれど。だから、その表現方法で何をす るかのほうが重要だと思う。
タイダイの歴史についてリサーチしたとか。
タイダイは60年代に生まれたものだと思ってい たけれど、調べてみると、歴史より古いくらいだということに気がついた。何千年も存在してきたの。どうやって生まれたのかもわからないし、世界中で存在し た。何かを無地に染色しようとして、下手だったらタイダイになるわけで、たぶんそうやって、同時多発的に世界で成長したのだと思う。だからいろんなスタイ ルがある。
タイダイの新しい側面を紹介することで、既存の思い込みと戦っているということ?
そうでありたいと思う。歴 史を学ぶことで、過去に戻るんじゃなくて、タイダイはひとつの固定的な存在ではなくて、何にでもなるということを知って、進化させることができればと思っ た。(読者には)可能性が多数あることを理解して、私の創造力を超えてほしいと思う。技術と可能性を学んで、私の想像力を越えたクレージーなものを作って ほしい、それをオンラインにポストしたり、メールしてくれたりすればいいと思う。
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07.26.2013

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