MUSIC
Juiceboxxxが案内するミルウォーキー・ガイド
郊外で育ったことを隠すつもりはないけれど、子供の頃、週末は必ず、ミルウォーキーで、ショーをやったり、観たりして過ごした。ミルウォーキーは、いわゆる「ラストベルト」と呼ばれる、過去に閉じ込められてしまったような斜陽化した工業地帯で、いまだにたくさんの魅力がある、本当の意味でアメリカ的な都市のひとつ。大人になってからも、断続的に住んだり離れたりを繰り返してきた。
26歳になった今、自分は完全に大人になることはなかったと感じているけれど、その感覚は、毎日変わる。でもこの場所で、思春期に音楽を演奏したり、観たりした素晴らしい思い出をいつも抱えていて、それは自分にとってポジティブなことだ。ここで紹介する5つの場所は、ミルウォーキーで演奏してきた長い時間を代表するほんの一部だ。
THE BARELY LEGAL HOUSE
人の家のベースメント(地下)で行われるショーは、自分の思春期において重要な場所だった。そして当時のミルウォーキーにはそういう場所がやまほどあった。ザ・ベアリー・リーガル・ハウスは、そのなかでももっとも伝説的な場所で、狂気や破壊的な行為が多数起きた場所。全盛期には、ポップ・パンクからノイズまで週5回のペースでショーが行われていた。特に2004年にジャパンサーがキッチンで演奏した7月の夜は特に記憶に残っている。
RIVERWEST FILM AND VIDEO
アメリカで最高のビデオ屋であると断言できる。この店のほかに、海賊版からキム・カルダシアンのセックス・テープ、ウォーホルのビデオからアーティストのコレクティブであるペーパー・ラッドの「PJ Vidz」、ハリウッドのヒット作までを一挙に揃えたビデオ屋には、世界中でいまだかつてお目にかかったことがない。何年もの間、ここで時々パフォーマンスしてきた。11時の閉店とともに、ビデオラックを片付けて、演奏した。ビデオ・ヒッポス、コフス、ビッグ・ディジッツ、ジョニー・コーンドッグなど名だたるミュージシャンたちが、閉店後の店で、記憶に残るショーを演奏してきた。
SHOREWOOD LEGION HALL
高校時代、このレンタル・ホールで大騒ぎを繰り返した。地下には、大人たちが酒を飲んだりしながら時間を過ごすバーがあって、ジュークボックスでシャギーの「It Wasn’t Me」を20回続けてかけたこともある。ショーが終われば、向かいのベーカーズ・スクエアにいって、食べたりだらだらしたりした。パンクショーのあとにパイを食べる思春期ーーそれほど健全な体験もなかなかない。
631 E. CENTER STREET
自動車工場の上にあった倉庫で、素晴らしいアートギャラリーやアーティストのスタジオがあったところ。2005年のいっとき、ここでUSAISTHEMONSTERやオケージョナル・デトロイトといったバンドを招待してショーをオーガナイズした。悲しいかな、去年火事があって、多数のアートが失われてしまった。噂によると、アート・スペースになる前は、アナーキストたちがここで暮らして、たまにレイブを開催していたらしい。
THE GENERAL STORE
ハリボテの洞窟のようにデザインされたアートギャラリー兼ショップ兼パフォーマンス・スペースを運営していたのは、タイソンとスコット・リーダー。最高の場所だった。自分もここで高校時代、ティーンのためのダンス・パーティを開催していた。高価なアートの横で、ティーンたちがへべれけになって踊っていた。このパーティのスピリットは、自分がハイティーン時代や20代になってから作った音楽に重要な影響を及ぼした。
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