AMAZING WORLD OF EYEMAZING SUSAN

ART/CULTURE

AMAZING WORLD OF EYEMAZING SUSAN

写真雑誌EYEMAZINGの10年を振り返る

Interview: PERISCOPE, Translation: Junki Ikeda

EYEMAZING<アイメージング>という写真雑誌をご存知だろうか? 2003年にアムステルダムを拠点に活動する写真家で、この雑誌を作るうちに「アイメージング・スーザン」と呼ばれるようになった女性が、ひとりで作っている雑誌である。インディペンデントの雑誌の発行人・編集人として、雑誌にとって難しい時代を生き残り続けているだけでなく、その独自の視点と、新たな才能を発掘する目によって、写真界を驚かせ続けるスーザンだが、最近、10年間のアーカイブから、マイケル・アッカーマン、ベッティナ・ランス、サリー・マン、ロジャー・バレンをはじめとする131人のフォトグラファーの作品を厳選した本を発表した。スーザンにこの10年間を振り返ってもらった。

<アイメージング>を始めたきっかけを教えてください。
生計をたてるために広告写真の仕事をしながら、自分個人の作品を世に出すことができないことにフラストレーションを感じていた。だから自分は写真家ではなく、筋金入りの写真愛好家として写真の世界に残ろうと決めた。アーティストたちに何が足りないのかは明確にわかっていたから、何か行動を起こそうと考えた。
写真の世界に入った経緯は?
写真家になる前は、プロのクラシックのダンサーだった。ダンスをやめたあと、自分を芸術的に表現するための新たな言語を必死で探していて、写真が自分がクリエイティブな存在であるための言語になった。ダンスと同じく、言語が必要がない表現方法だったから。
<アイメージング>を始めたとき、どんなヴィジョンを持っていたのでしょう?
たぐいまれのない写真のために、何の制限もないユニークなプラットフォームを作りたくて、レイアウト、デザイン、写真の編集を自分の方法で自由にやろうと思った。そうやって<アイメージング>は生まれた。ある写真家が他の写真家たちのために編集するというユニークな出版物として。ひとりの人間のヴィジョンがあるという事実が、<アイメージング>を他の雑誌とは違うものにする鍵となった。インディペンデントの刊行物であるということが、自分の心を躍らせてくれるエッジの効いた写真を選ぶために必要な自由を与えてくれた。
<アイメージング>は年々どう進化してきましたか?
<アイメージング>は、世界中で見られるあらゆる種類の非凡な写真にスポットライトを当てる、国際的な現代写真の雑誌から、徐々にアイメージング・スーザンの、つまり私の日記と化していった。ひとりで雑誌を作っているうちに、雑誌と近くなりすぎて、自分の精神状態が写真の選択にかなりの影響を与えるようになった。それぞれの号のコンテンツに自分好みの写真だけを選ぶうちに、どんどん暗いテイストになった。<アイメージング>は私の生き方になっていった。
続けるうえで、一番難しいことは?
一番大きく、もっともわかりやすいのは、スポンサー探し。でも正直にいうと、本当に難しいのは、10種類もある仕事と肩書きを同時にやりくりすることだった(奥付には、たくさんの偽名を使った)。発行人、編集者、デザイナーの仕事をしながら、定期購読や配本を処理して、広告、秘書、自分の街では配達係までやった。不満をいう相手がいないから、不満なんて言えなかった。自分の雑誌がほしかったから、何とかやるしかなかった。
10年分のアーカイブから、本にまとめるの作業はどうやってしたのでしょう?
雑誌のバックナンバーからイメージを切って離して家中のスペース、それも床から階段にまで広げ、しばらくの間、明けても暮れても写真を見ながら歩き回ることで、過去の10年使ったイメージを、自分がなぜ選んだのかを発見したかった。それは、自分自身を探す作業だったけれど、そのうち、徐々に、いくつかのテーマが、無意識に浮かび上がってきた。こうやって「過去の人生の夢と記憶」「肉体、檻。肉体、家」というふたつが生まれ、こうやって7840ページにおよぶコンテンツの中から435枚まで削ることができた。
表現方法としての写真で、あなたにとって一番魅力的なことは?
自分自身を自由に表現できること、何年も経ってから、過去を思い出すことができること。写真はメディアでしかないけれど、そのメディアで何ができるか、どこまで追求できるか、アーティストとして自分自身をどれだけオーディエンスに見せるのか、それはすべて自分にかかっている。写真は、アーティストが自分の独自の方法で使えるもので、制限はなく、誰もが使うことができる。今、誰もがフォトグラファーになれるけれど、みんながアーティストなわけではない。写真によって心を動かされるために、写真家である必要はない。インスピレーションを得られるように、開いた心さえあればいい。
完成した本を見たとき、どんな思いがよぎりましたか?
一丁あがり、さあ次の本だって。

 

Links

http://www.thamesandhudson.com/Eyemazing/9780500516850
http://www.seigensha.com/newbook/2013/05/31111156
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12.30.2013

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